ニス加工?プレス加工?今知りたい箱やパッケージの『表面加工』
形状・色身・材質など「箱」は多くの要素で形成されています。そのうちのひとつが箱やパッケージの『表面加工』です。
オリジナルパッケージを完成させるにあたっては、表面加工についても決めていかなければなりません。とはいえ、初めてパッケージを作る方に馴染みが少なく、決めかねてしまう方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、これからオリジナルパッケージを製作する方向けに「箱の表面加工」のご紹介をいたします!
オリジナルパッケージを作る前に知りたい!箱の表面加工とは
そもそも「箱の表面加工」とは、ニスやフィルム、光沢剤などで印刷した紙を加工することです。
表面加工を施すと、以下の効果が期待できます。
- 他の印刷物へのインキの色写り防止
- 印刷面の擦り切れ防止
- 印刷面の耐熱性、耐水性の向上
- 質感の変化によるデザイン性の向上
目的やお好みによって、加工方法を決めていきましょう。代表的な加工方法は「ニス加工」「プレスコート」「ビニール引き」「PP貼り」の4つです。
低コスト・短納期!パッケージにも利用しやすい「ニス加工」
印刷面にニスを塗布、加工する方法を「ニス加工」と言います。印刷面の保護の目的で、インキ量の多いポスターなどに活用される加工です。
特に広く活用されているのが、光沢を出して印刷の効果をアップさせる「グロスニス」と、光沢を抑えて落ち着いた雰囲気に仕上げる「マットニス」。いずれもインキの塗膜にニスを塗布するため、耐久性が高まります。
印刷と同時にニス加工を行う、インラインコーティングで加工できるので、他の方法と比べて低コスト・短納期です。
ニスに替えてアクリル系樹脂を塗布し、より高いコーティング効果を生み出す加工方法もあります。
光沢感あるパッケージにしたいなら「プレスコート」
「ニス加工」よりも、光沢感と耐久性を得られるのが「プレスコート」の特長です。卒業アルバムや教科書にも使われています。
「プレスコート」はニス加工に比べると、やや高コスト。しかし、後ほどご紹介する「PP貼り」と比較すれば低コストであり、なおかつ「PP貼り」とほぼ同等の光沢に仕上がります。
スポットプレスという技術を用いれば、部分的なコーティングも可能。パッケージの一部分だけを加工せずに、贈り先の名前を記入するスペースとして使うこともできますね。
さまざまなパッケージに活用できる「ビニール引き」
ビニール引きでは、塩化ビニル樹脂と速乾性のあるニスを混合し、印刷面に塗布します。それを熱乾燥・蒸発させることで、光沢と耐久性がアップするのです。トランプやラベルにも使われます。
ニスよりも強い光沢、及びマット感、耐久性が得られます。塗料の種類を変えて耐油性・耐水性を向上させることもできるため、さまざまな目的に応じてご活用いただけます。
高級感あるパッケージを目指すなら「PP貼り」を!
「PP貼り」はポリプロピレン加工のことを言います。印刷面にポリプロピレンフィルムを貼り合わせ、熱で圧着するラミネート加工の一種です。
光沢感、ツヤ感を出して印刷物の強度をあげるための加工なので、書籍カバーや雑誌の表紙に用いられています。耐久性や耐熱性も兼ね備えており、飲食店のメニュー表にも○。
最も耐久性が高く、長期間利用する製品に適しています。フィルムの種類も豊富で、パッケージの高級感を高めることにも力を発揮してくれるでしょう。
オリジナルパッケージを作りたい人、必見!知っておきたい「箱の表面加工」のまとめ
ご紹介した表面加工の方法の特長をまとめてみます。
ニス加工
コスト:★☆☆
光沢感:★☆☆
耐久性:★☆☆
プレスコート
コスト:★★☆
光沢感:★★★
耐久性:★★☆
ビニール引き
コスト:★★☆
光沢感:★★☆
耐久性:★★☆
PP貼り
コスト:★★★
光沢感:★★★
耐久性:★★★
※マット系(ツヤ消し)の加工を行う場合、光沢感はマット感に置き換えてください。
※当ブログ独自の見解によるものです。
低コストを求めるなら「ニス加工」、より光沢や耐久性をアップさせるなら「PP貼り」というように、製作されるパッケージの目的・用途によって、使い分けいただくことになります。
塗料やフィルムの違い、箔押し加工やエンボス加工まで含めれば、表面加工の種類は非常に多岐にわたるといえるでしょう。目的や用途を明確にしたうえで、専門家にご相談いただければ、御社のご希望を叶える加工方法が必ず見つかるはずです。